税理士として登録するためには、科目合格5科目にプラスして、2年間の実務経験を積むことが求められます。
ただ、この「実務経験2年」が意外と大きなハードルなんですよね。
多くの人は、会計事務所の税理士補助として実務経験を積んでいきますが、会計事務所勤務は激務で離職率も高いのが現実です。
ただ、ここを超えないことにはどうにもならないのも事実。いわば通過儀礼のようなものですね。

この記事では、税理士業界で実務経験2年を積む人が直面する理想と現実をお教えします。
これから税理士を目指す方は、後悔のないキャリア選択をするための参考にしてください。
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税理士事務所で積む「2年間の実務経験」の理想と現実
↓会計事務所で働く上でのリアルな現実と、どんな心構えが必要なのかを詳しく見ていきましょう。
① 税理士補助としての日常はかなりの激務(繁忙期の残業・ストレス・離職率の高さ)
税理士事務所で働く日常は、一般的なオフィスワークと比べてもかなりハードです。
特に繁忙期(12月〜3月、5月)は、確定申告や法人決算が重なるため、毎日深夜まで残業することも珍しくありません。
業界では“繁忙期は戦場”という言葉が冗談ではなく、本当に終電まで仕事をしている人も多いです。
その結果、ストレスや疲労で離職してしまう人も少なくありません。
ただ、その反面、繁忙期を乗り越えることで実務力が一気に鍛えられるというメリットもあります。
大変ではありますが、「税理士として生きていくならこの現場を通るべき」と言われる理由はそこにあります。
② 未経験者として入社した事務所では給料が安い可能性大
税理士業界は、未経験者の初任給が思ったより低いのが現実です。
月給20万円台前半というケースも珍しくなく、繁忙期には残業代がついてなんとか平均的なサラリーマンと同等になる、という人もいます。
これは教育コストが高い業界という事情が関係しています。
税務の世界は専門性が高く、未経験者を一人前に育てるのに2〜3年はかかるため、どうしても給与は控えめになりがちなんです。
とはいえ、経験を積むほど年収は上がりやすく、実力次第で独立も可能です。
最初の2年間は投資期間だと割り切るのが、長く働くコツですね。
③ ブラック事務所に入ってしまうと、心身ともに疲弊してしまう
残念ながら、税理士業界にはブラック事務所と呼ばれる環境も存在します。
長時間労働が常態化していたり、教育体制が整っていなかったり、所長のパワハラが問題になるケースもあります。
こうした事務所では、税理士登録に必要な2年間を“地獄のように感じる”人もいます。
求人票だけでは分からない部分も多いので、面接時には従業員数・担当件数・残業時間などをしっかり確認しましょう。
離職率が高い事務所や口コミで悪評の多い事務所は、避けたほうが無難です。
事務所選びの段階でリサーチを怠らないことが、税理士としてのキャリアの第一歩を守ることにつながります。
④ 難関である税理士試験勉強との両立はとても難しい
税理士業界で働きながら試験勉強を続けるのは、想像以上に難しいです。
日中は顧客対応や申告書作成で頭を使い、夜は勉強時間を確保する──。
精神的にも体力的にもギリギリの生活になる人が多いです。
繁忙期は勉強どころではなくなるので、合格までの年数が伸びてしまう人も少なくありません。
ただし、この「両立の壁」を乗り越えた人は、現場でも通用する強さを持っています。
机上の知識だけでなく、“実務で使える税理士”になれるのは、この時期を耐え抜いた人です。
⑤ 5科目合格が近い人は「すぐに独立してしまう」と敬遠されることも
実は、税理士事務所では5科目合格目前の人は採用を見送られることもあります。
理由は単純で、すぐ独立して辞めると思われるからです。
特に小規模事務所では、人材育成コストをかけた後に辞められると大打撃なので、採用に慎重になります。
ですので、試験科目の合格状況をアピールするよりも、「この業界で長く働きたい・まずは実務をしっかり覚えたい」という姿勢を示した方が良いです。
採用担当は、“長期的に一緒に成長できる人”を求めています。
⑥ 転職や独立にともなうトラブル(元の勤務先から顧客を引き抜くのはタブー)
独立や転職を考える際に注意したいのが、顧客の引き抜きです。
税理士業界では、これは絶対にやってはいけないルール違反です。
引き抜き行為は信頼関係を一瞬で壊し、業界内で悪評が立ちます。
将来的に独立を考えている人は、在職中から自分の顧客を持つのではなく、“信頼される税理士像”を築いておくことが大切です。
誠実に働いていれば、退職後に紹介や口コミで自然と顧客が集まるようになります。
税理士業界は狭い世界です。信頼を積み重ねることが、最終的に最強のキャリア戦略になります。
一般企業の経理で実務経験2年を積むのは現実的か?
税理士登録のための2年間の実務経験は、会計事務所だけでなく一般企業の経理職でも積むことができます。
実務要件の条件を満たす職場は複数ありますが、現実的にどんな働き方が向いているのかは人によって違います。
ここでは、経理職として働くメリットとデメリットを整理しながら、どんなキャリアを目指す人に向いているのかを考えていきましょう。
税理士を目指すうえで、どのルートが自分に合っているかを判断する参考にしてください。
① 経理職として実務要件を満たすメリット
経理職で経験を積む最大の魅力は、安定した環境で働けることです。
会計事務所のように繁忙期に深夜残業が続くケースは少なく、生活のリズムを崩さずに働けます。
また、大手企業や上場企業の経理部門であれば、連結決算や法人税申告など、スケールの大きな会計業務に携われるチャンスがあります。
個人事務所では扱えないような案件に関われるのは、大企業ならではの強みです。
さらに、経理職は組織の一員としてキャリアアップを目指せる点もメリットです。昇進や異動など、企業内でのキャリアパスが整っているため、安定的にスキルを高めていくことができます。
独立よりも企業の中で働き続けたい人にとっては、経理職での実務経験は非常に現実的な選択肢です。
② 経理職として実務要件を満たすデメリット
反対に、経理職として働くデメリットも見逃せません。
まず、税理士として独立を目指す場合、人脈を築く機会が限られることが大きな課題です。
会計事務所では同業の税理士や金融機関の担当者、中小企業の経営者などと日常的に関わりますが、経理職では社内中心の業務が多く、外部との接点が少なくなります。
そのため、将来顧客を紹介してもらえるような関係性を作るのが難しいのです。
また、企業経理の仕事は自社の数字を管理するのが中心で、税務相談や顧客対応といった経験はほとんど積めません。
結果として、独立後に必要な営業力や顧客開拓力が身につきにくい傾向があります。
さらに、経理職は業務内容がルーチン化しやすく、税務に関する幅広い実務を経験するチャンスが少ないという点も弱点です。
安定している反面、学びの機会が限られるというのは大きなジレンマですね。
③ やはり、おすすめは税理士事務所での実務修行
結論として、税理士としてキャリアを築いていきたいなら、やはり会計事務所での経験が最も価値があります。
事務所の仕事は確かに大変です。残業も多く、給与水準も決して高くはありません。
それでも、顧客対応や申告書の作成、税務相談など、実際の現場を経験できるのは大きな強みです。
こうした実践的な仕事を通じて、税理士としての感覚や判断力が養われます。
また、会計事務所での2年間は、自分の得意分野を見つけるための時間にもなります。
経理職が「深く一部を掘り下げる仕事」だとすれば、税理士事務所は「広く全体を見る仕事」です。
独立を視野に入れている人ほど、この現場での修行が将来の武器になります。
たとえ厳しい環境でも、2年間を未来への投資と捉えられる人が、最終的には大きく成長できるでしょう。
↓会計事務所と企業経理以外で「実務要件」を満たせる職場の候補はこちらの記事で紹介しています。

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税理士の実務経験はどこで積める?会計事務所や経理以外の選択肢もあるの?
「税理士登録に必要な実務経験はどこで積める?会計事務所以外ならどこ?」このブログ記事では、税理士登録の実務要件として必要な2年間としてカウントできる勤務先を解説します。勉強と両立しやすいおすすめの職場も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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税理士として実務経験を積む2年間を未来への投資に変えるべし
税理士登録に必要な2年間の実務経験は、単に「登録のための条件」ではありません。
この2年間を「修行期間」とみなして過ごすかで、今後の税理士人生が大きく変わります。
与えられた仕事をこなすだけで終わるのか、それとも将来につながる力を育てる期間にするかで、
その後の税理士としてのキャリアはまったく違ってくるんですね。

ここでは、2年間の実務経験を未来のキャリアへとつなげるためのポイントを紹介します。
① 得意分野をつくって差別化する
税理士として成功する人は、必ずといっていいほど自分の得意分野を持っています。
相続税、医療業、ITベンチャー、海外取引など、何かひとつでも強みを持っていると、仕事の幅が一気に広がります。
2年間の実務経験の中で、どんな案件に関わり、どんな顧客層と接したか。その積み重ねが、自然と得意分野を形づくります。
自分が興味を持てる分野や、将来的に需要が伸びそうな領域を意識的に選ぶといいでしょう。
単に「税理士になる」だけでなく、「どんな税理士として活躍するか」を早い段階で意識しておくことが大切です。
② 顧客や人脈づくりを意識する
税理士として独立を考えるなら、人とのつながりが何よりの資産になります。
勤務中に出会う経営者、同業の税理士、金融機関の担当者などとの関係を丁寧に築いておくことが、後のキャリアに直結します。
独立後に紹介で顧客を得る人の多くは、勤務時代の信頼関係をベースにしています。
目の前の仕事をこなすだけでなく、相手が何を求めているかを理解し、誠実に対応することが信頼につながります。
どんなにスキルがあっても、人間関係が築けなければ顧客はついてきません。
2年間の間に、信頼を積み重ねる姿勢を意識して働きましょう。
③ 勉強できる人が仕事で成果を出せるとは限らない
税理士試験に合格する人は、勉強に対する集中力や根気がある人が多いです。
ただ、実務の現場では知識よりも「人とどう関わるか」「どんな提案ができるか」といった力が問われます。
机上の正解と現場の最適解は違うことも多く、時には法律よりも人間関係の調整力が重要になる場面もあります。
試験勉強で得た知識を現場でどう使うか。そこを意識するだけで、成長のスピードは大きく変わります。
合格者だからこそ陥りがちな「知識偏重」から一歩抜け出し、実務を通じて“使えるスキル”に変えていく意識を持ちましょう。
④ ブログやSNSでの発信をコツコツ始めておく
今の時代、税理士としてのブランディングはネット上で形成されることが増えています。
ブログやX(旧Twitter)、YouTubeなどを通じて専門知識を発信しておくと、同業者や経営者との接点が自然と増えます。
発信する内容は難しいものでなくても構いません。日々の学びや気づきを発信するだけでも十分です。
早い段階からオンラインでの存在感を作っておくと、独立したときに大きな武器になります。
今後、税理士業界は「発信できる専門家」と「黙って待つ専門家」で大きく差がつく時代になっていくでしょう。
⑤ 登録後を見据えたキャリア設計をしておく
税理士登録はゴールではなく、スタートラインです。
登録した瞬間に仕事が舞い込んでくるわけではなく、その先のキャリア設計が明確でなければ思うように進めません。
独立を目指すのか、勤務税理士として企業内でキャリアを積むのか。どちらの方向に進むのかによって、今の2年間の過ごし方も変わってきます。
独立を視野に入れるなら、営業スキルや集客の仕組みづくりを意識しておく必要があります。
一方、企業内で働き続けるなら、専門性を深めて社内で頼られる存在を目指すのも良いでしょう。
目的地が決まっていれば、2年間の努力を「登録のため」ではなく「理想の働き方を実現するため」に変えることができます。
この期間をどう使うかで、税理士としての未来は確実に変わります。
まとめ
税理士登録に必要な2年間の実務経験は、単なる条件ではなく、将来の土台を作る大切な期間です。
会計事務所での修行は厳しいものの、税理士としての実力と人脈を築ける最短ルートです。
一方、企業経理で経験を積む道も安定していますが、独立を目指す人にはやや物足りないかもしれません。
どの道を選ぶにしても、目的を持って働くことが何より大切です。
この2年間を「未来への投資」として捉えることが、成長への一番の近道になります。
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