- 施工管理は「きついからやめとけ」って言われがちなのはなぜ?
- 人手不足のブラック企業が多い?
- 現場は激務で肉体労働も必要?
- メンタルを壊す人が多いって本当?
- 土日はちゃんと休める?残業は多い?
このブログ記事では、施工管理の仕事の実態について解説します。
施工管理の現場のリアル実態をお伝えしますので、参考にしてみてください。
施工管理業界で働いている20代男です。売上高2,000億円・従業員約2,200名規模の準大手建設会社にて、道路工事施工管理として働いています(国や地方自治体のインフラ整備工事の受注が多いです)。現在は現場代理人として安全・予算・品質・工程の管理、地元住民や行政との調整などをやっています。保有資格は第二級土木施工管理技士・技術士補。現在進行形で働いてる人の視点で施工管理業界のリアルを紹介します。
こちらの記事もおすすめ
この記事の目次
施工管理が「きついからやめとけ」と言われる理由は?激務ブラックって本当?
↓ここでは、以下のようなことをお話しします。
- ワークライフバランスについて
- 現場作業&肉体労働のリアル
- 施工管理の現場で見かけたメンタルを壊した人たち(鬱やノイローゼになる人は多い?)
- 土日休みは嘘か?(施工管理の残業時間と休みの実態)
- 入社前と現実のギャップは?
ネットの口コミ評判では「施工管理はきつからやめとけ」という意見がかなり多いようですね。
実際、施工管理の仕事はきついです。
入社する会社や配属される部署にもよりますが、新人1年目とかはしんどいことも多いでしょう。
ただ、その分だけ仲間意識は強いですし、やりがいも大きい仕事だとは思いますよ。
1. 施工管理は激務?人手不足が当たり前でワークライフバランス崩壊?
施工管理は激務であると言われることがあります。
確かに施工管理は忙しい仕事です。
そのうえ、昨今の少子化の影響で人手不足が当たり前の状況になっています。
私は今の職場に3年(2025年4月末時点)いるのですが、同僚の人数が少しずつ減ってきています。
私が新卒のときには職場に同じ課の人が7人いました。
しかし、毎年1人ずつ減っていき、1年目の今は課の人数は私を含めて5人になっています。
業務量は変わりませんから、今まで7人で行っていた仕事を5人でやらなくてはいけなくなったわけです。
当然、1人あたりの担当する現場は増えるわけで、そうなると以前よりも忙しくなります。
土日出勤や残業が増えるとワークライフバランスが崩れ、体調を崩す人も増えるでしょう。
少子化が進む限りは今後も施工管理の仕事は忙しくなっていくと思います。
2. 現場作業&肉体労働のリアル
- 施工管理って現場の作業員さんを指示するのが仕事でしょ?
- 自分自身が肉体労働をすることはないのでは?
↑施工管理の仕事内容について、こうしたイメージを持っている人もいるかもしれません。
確かに施工管理の仕事は現場作業を指示し、工程・安全・品質等を適切に管理をするのがメインの仕事です。
しかしだからといって現場作業や肉体労働が全くないわけではないことに注意が必要です。
施工管理も現場作業とも無縁ではなく、時には肉体労働に近い動きも求められます。
真夏の炎天下での立ち会い、泥に足を取られながらの確認作業、資材の運搬を手伝うこともあります。
何より外にいるので室内の冷暖房器具を使用できません。
真夏時は炎天下の中なので、もうその場にいるだけで頭がおかしくなるくらい暑いです。
死ぬほど暑いです。
想像してみてください。
直射日光の中、現場を監督しながら、時には現場作業をする自分を。
最近は冷調服の導入やこまめな水分補給が推奨されるようになり、少しずつ現場環境の改善に取り組んでいますが、それでも炎天下の状況は死ぬほど暑いです。
また冬は寒いです。
現場が止まれば責任も重く、思っていたよりもずっとハードであると感じる新人も少なくありません。
施工管理者は現場責任者なので、直接的な現場作業はしない=肉体労働ではないと思っていたらそれは間違いです。
それでも、現場の最前線にいるからこそ、皆で一緒にご飯を食べたり、気になった情報の共有ができたりといった現場チームならではの一体感は感じますね。
3. メンタルを壊す人が続出?鬱やノイローゼになる現場のストレス
「施工管理は地獄」
施工管理について調べている皆様でしたらこの言葉を聞いたことがあると思います。
私はこの言葉は内心大げさであると思っていました。
でも実際に現場に出て働いてみてその意味が痛いくらいに分かるようになりました。
施工管理の仕事は常にプレッシャーの連続であると言えます。
納期、予算、安全、工程、そして人間関係等、多くのストレスを抱え、朝から晩まで張り詰めた状態が続きます。
私の先輩はそれが原因でメンタルをやられてしまい、明らかにノイローゼ状態になっていました。
夜遅くに誰もいない事務室で、ぶつぶつと同じところを行ったりきたりする先輩を見て自分もこうなってしまうのではないかと怖くなってしまいました。
結局その先輩はうつ病で休職することになり、風のうわさではそのまま辞めてしまったそうです。
それでも、現場が無事に完成した瞬間の達成感や、仲間と過ごす時間に救われることがあります。
厳しいけど、やりがいも大きい、それがこの仕事を続ける理由です。
4. 土日休みは嘘?施工管理の残業時間と休みの実態
今は働き方改革が進み、土日休みがしっかり取れる、そのように思われるかもしれません。
施工管理でも土日休みはしっかり取れる、それは半分本当で半分は嘘です。
確かに予定通りに進み、工期内に余裕を持って完成することが出来れば、土日もしっかり休めるでしょう。
しかし実際は工期が間に合わなければ、休日に作業をするために土日に出勤することも珍しくありません。
平日は現場作業後に事務所に戻って書類作成や打ち合わせのために残業というのも日常茶飯事です。
職務上、残業や土日出勤はどうしても必要になってきてしまいます。
施工管理の仕事は月に40~50時間を超えることも多く、プライベートの時間を確保しづらいです。
また、有給が取りにくい環境にある現場もあり、施工管理は休みが少ない仕事だと感じる人も多いです。
責任者である施工管理者がいなければ現場が動かないため、複数の会社に迷惑がかかってしまうからです。
しかしそんな状況を変えるため、国や地方自治体は4週8休制度の工事現場には加点したり、
完全週休二日制の現場には工事費を上乗せしたりと改善のために動いています。
5. 入社前に思い描いていた理想と現実のギャップに悩む人が多い?
施工管理って大きな社会インフラを創る大変やりがいのある仕事だ!
当時の私はそんな期待を胸に入社しました。
しかしそんな私が最初にぶつかったのは現実とのギャップでした。
- 想像以上の業務量で早朝から深夜までの長時間労働
- 関係者との神経質な技術的協議
- 工事事故等の突発的な対応
- 工期とのプレッシャー
学生時代に描いていた働き方とはまるで違い、
「施工管理はやめとけ」と言われる理由を身をもって知ることになりました。
特に入社1年目は分からないことも多かったです。
毎日職人さんや上長に怒鳴られ、心が折れそうになる瞬間が何度もありました。
それでも、徐々に現場を動かす手応えや仲間と一つのプロジェクトを地図に残す楽しさを感じられるようになりました。
ようやくこの仕事の本当の面白さが見えてきた気がします。
辛さを乗り越えた先に本当にある達成感という楽しさ、それが施工管理の現実です。
まとめ
このブログ記事では、ネットやSNSで「施工管理の仕事はつらいからやめとけ」と言われがちな理由について解説しました。
施工管理は人手不足による激務や肉体労働を伴うこともあり、メンタル面での負担も小さくありません。
また残業や休日出勤が多く、プライベートとの両立が難しいという現実もあります。
しかし同時に、現場の完成を仲間と共に実現する達成感や、社会インフラを創る喜びなど、大きなやりがいもある仕事です。
国や自治体による働き方改革も進んでおり、今後は少しずつ環境も改善されていくでしょう。
施工管理の厳しさと魅力の両面を理解した上で、自分に合った働き方を見つけてください。