- 施工管理は未経験でも転職できる?
- 誰でもできる仕事って本当?
- 資格なしでも採用される?資格取得は入社後でもOK?
- 年齢30代〜40代以上でも採用される?
このブログ記事では、施工管理の未経験者採用の実態について解説します。
結論から言うと、施工管理は未経験資格なしでも、年齢高めでも転職できますよ。
仕事内容はきつい部分もありますが、やりがいのある仕事なので、ぜひ挑戦してほしいですね。
施工管理業界で働いている20代男です。売上高2,000億円・従業員約2,200名規模の準大手建設会社にて、道路工事施工管理として働いています(国や地方自治体のインフラ整備工事の受注が多いです)。現在は現場代理人として安全・予算・品質・工程の管理、地元住民や行政との調整などをやっています。保有資格は第二級土木施工管理技士・技術士補。現在進行形で働いてる人の視点で施工管理業界のリアルを紹介します。
この記事の目次
施工管理は未経験でも転職できる?「誰でも受かる仕事」って本当?
未経験でも施工管理職に採用される人はかなり多いです。
↓ここでは、施工管理の採用現場のリアルとして、以下のようなことについて解説します。
- うちの会社で実際に未経験で働いているのはこんな前職の人たち
- 未経験で採用されるのはどんなタイプの人?
- 資格なしでも本当に受かる?
- 年齢30代〜40代でも受かるの?
- 運転免許なしだと採用されない?
- 学歴差別とかあるの?
実際に施工管理職として現場で働いている私の経験をもとに、できるだけリアルにお答えします。
うちの会社で実際に未経験で働いているのはこんな前職の人たち
結論から言うと、未経験でも施工管理職に採用される人はかなり多いです。
私が採用面接を受けたときに一緒に面接を受けた人は私を含めて20人いたのですが、そのうち採用されたのは15人で、業界未経験は4人でした。
↓同僚の未経験だった4人の前職をヒアリングするとこんな人たちでした。

- 前職:大卒公務員(30代)
大学を出て県庁に入庁。都市計画や道路維持、道路整備等、幅広い部署を経験し、10年以上に渡り行政の内側から地域づくりに携わってきたものの、結婚・育児を機に、もっと人に役立つよう現場で働きたいと考えて民間へのチャレンジをしたとのことです。 - 前職:現場作業員(40代)
10代で建設業界に入り、20年以上にわたり現場作業員として勤務。重機オペレーターや土工、解体工など、多種多様な現場を経験。年齢とともに体力的な負担も増え、「これから先の働き方」を考えるようになり、未経験ながら現場代理人になることを決意したそうです。 - 前職:設備系の現場施工管理(30代)
設備工事会社で空調・給排水・電気設備などの施工管理業務を約10年担当。人手不足のため前勤務先の会社が倒産し、現在は未経験ながら道路工事の現場代理人として働き始めたそうです。 - 前職:高卒公務員(20代後半)
高校卒業後に市役所勤務。道路維持を中心として市民と関わる業務を経験するも、大学を出ている友人と比較し、給与面に不安を感じ、施工管理への転職を決意したそうです。
正直に言って「雑多な人種が集まってきている」という印象です。
現場には東南アジア系の外国人の人たちや、職人親方の人たちがたくさん働いているので、どんな人でも広く受け入れるという雰囲気ですよ。
現時点での職歴や学歴に自信がない…という人も、ぜひ施工管理の仕事に挑戦してみてほしいですね。
未経験で採用されるのはどんなタイプの人?
経験者か未経験者かというよりも、「コミュニケーション能力」と「現場での調整業務におけるタフさ」を評価されていると思います。
専門的な知識や経験よりも「現場で職人や協力企業と上手くやっていけそうか」という人物評価がとても大きいと思います。
現場を経験すると、職員さんとの日々のやり取りがとにかく多いです。
工事では突発的な課題が発生し、職人さんから判断を求められることがあるのです。
そこで、職人さんの立場を理解した上で代替案を出せるタイプは関係も上手くいきやすいです。
反面、一方的な指示や無責任な対応をする人は現場の雰囲気を悪くするため、向いていないかもしれません。
資格なしでも本当に受かる?
結論から言いますと、受かります。
未経験社の場合、資格の有無が選考に大きく影響を与えることはないです。
面接を受けるにあたって、資格がなければ選考が不利になると不安に感じる方もいるかもしれません。
仕事で重要なのは、「現場で上手くやっていけるのか」ですから、資格がなくても「熱意」や「伸びしろ」で十分勝負することができます。
施工管理は「資格がキャリアを後押ししてくれる」世界ですので、入る前から意識しすぎないようにしましょう。
具体的に詳しく解説します。
多くの施工管理職の求人では入社時点で施工管理技士の資格を求められません。
なぜならば、土木分野の資格は実務経験が求められるものが多く、採用の段階で取得することは難しいためです。
例えば、施工管理技士二級を受験するためには、最低でも1年以上の実務経験が求められています。
そのため、働きながら、資格を取り、キャリアアップしようとする方が多いです。
未経験者の場合、採用時点で資格を持っていると「ちょっとだけ有利」という感じです。
でも未経験者の場合は決定的なものではありません。
なお、中途採用・キャリア採用になると話はまったく別で、実務経験+有資格者が優遇される傾向は明確です。
資格ある人と資格なしの人とで、現場での扱いはどう違う?
スタートラインは同じです。配属部署も変わりません。
ですが、資格がないとできない業務もあるのです。
例えば、工事では、現場代理人や主任技術者といった工事の責任者を配置が法律で義務付けられています。
これらのポジションに就くためには資格が必須なため、資格者は人手不足の現場ではかなり重宝されるでしょう。
反対に無資格者の方は分からないことも多くあると思いますので、最初は書類業務、写真管理、安全管理の補助などをメインにやると良いでしょう。
資格の有無でスタート年収は変わる?
企業によりますが、資格により若干の差がある場合もあります。
多くの会社では資格手当があり、資格者に給料が上乗せされる制度になっています。
例えば、2級土木施工管理技士では月1~3万円程度の手当が相場でしょう。
気になる方は、自身の志望会社に資格手当があるかどうか調べてみると良いでしょう。
施工管理は若手不足?30代〜40代でも受かるの?
結論から言うと普通にチャンスはあります。
施工管理の世界は、若手の人材不足が深刻です。
特に地方やインフラ分野では、「とにかく人が足りない!」という現場が多く、未経験の30代・40代の採用にも積極的な企業が増えています。
私がいた現場では協力会社の現場代理人のなかで、30代から40代の未経験者は全体の1割から2割程度いました。
人手不足ということもあり、30代での未経験採用という人も増えてきています。
もちろん、全くのゼロから覚えていくには大変なこともありますが、本人が素直に聞く姿勢さえあれば、周りはちゃんと教えますし、サポートする雰囲気もあります。
実際に、30〜40代の未経験採用はどう見られる?
未経験からだと心配になりますよね。
「今更未経験でも大丈夫?」「若い人の方が雇われやすいのではないか?」と感じる人も少なくないのでしょうか。
でも現場で聞こえてくる人は意外とポジティブなんです。
現場の職人さんや協力会社の方もほとんどが年配や外国人の方です。
そのため若い人よりも、社会人経験を積んだ中堅世代の方の方が落ち着いて対応することができ、現場に馴染みやすい場合も多いのです。
施工管理は運転免許なしだと採用されない?
運転免許が必須であるかどうかは、勤務先の会社によります。
↓免許がなくても採用されるケースとしては、以下のようなケースでしょう。
- 都市部採用で現場の規模が小さい場合
小規模である程度都市部の現場では移動を公共交通機関で行える場合があります。 - 内勤事務職として採用の場合
施工管理を行う現場代理人や主任技術者は現場に行く必要がありますが、書類作成やデータ入力、進捗管理等が主な役割となる場合は会社の事務所で作業できます。
施工管理の仕事では、現場への頻繁な移動が求められます。
特に施工中の現場確認や協力会社との打ち合わせで車で移動することが多く、一般的には運転免許を持っていることが前提です。
ただし、東京等の都会では公共交通機関が発展しているため会社によっては必要ではない会社もあります。
運転免許がないと不安に感じると思いますが、本当に必須なのか、志望会社に確認してみると良いでしょう。
施工管理業界には学歴差別とかあるの?
これはまったくないというか、皆無ですね。
施工管理職に就けば、学歴なんて無視で「みんな一緒のあつかい」です。
私自身は土木工学科の大学を卒業していますが、それが出世に有利になったことはありません。
逆に高卒の方でも業務が優秀で早くに出世した方もいます。
私の上司は高卒ですが、40代で管理職としてバリバリに活躍しています。
出世とともに年収も上がり、中間管理職ともなれば年収800万から1,000万も夢ではありません。
文系・理系、高卒・大卒、全く関係なく、重要なのは入ってからどう学ぶかです。
【施工管理のリアル年収】24歳・経験3年目の給料明細を公開
一例として、私の年収をお教えします(24歳、施工管理業界3年目です)
↓年収は約500万円で、その内訳は以下のようになっています。

- 基本給 :約300万円
- 賞与 :約50万円
- 残業代 :約100万円(月約50h)
- 住居手当:約30万円
- 資格手当:約20万円(第二級土木施工管理技士、技術士補)
施工管理は残業代が出ないって本当?
残業代の支給は労働基準法で決められたルールなので、まともな会社であればちゃんと支給されると思います。
(このルールを破る会社は刑事罰を受けます)
私の会社の場合、残業代は時間外申請をきっちりとすれば支給されます。
ただし労働基準法で残業時間の上限が決まっているので、上限以上は受け入れてくれないケースもあります。
しっかりした会社であれば、時間分をきちんと承認してくれることも多く、それほど不安に感じる必要はないでしょう。
施工管理の仕事は「割りに合う仕事」といえる?
残業や休日出勤が頻繁にある中で、年収500万が割に合っているかどうかは正直なところ微妙ですね。
ただ、仕事のやりがいは非常に大きいと感じているので、今の職場から転職する予定は今のところありません。
施工管理の仕事は業務量や責任が大きく、きつい部分もあると感じています。
特に、納期が迫っていたり、予期せぬトラブルが発生したりするため、非常にストレスがかかることもあり、安心して働き続けることは難しいです。
とはいえ、施工管理の仕事は昇進やキャリアアップのチャンスも多いため、年収や安定性はこれから上がっていく可能性もあります。
特に現場の経験があれば、将来的に管理職や独立という選択肢もあるのが魅力です。
スキルアップを目指して努力を続けることで、将来的に家族を支えるために十分な収入を得ることができると思いますよ。
施工管理の仕事は未経験者にはきつい?誰でもできるって本当?
未経験者にとって施工管理は大変だけど、挑戦できる仕事です。
最初は大変ですが、学びながら進めることで、スキルを身に着け、成長することができます。
施工管理は高いコミュニケーション能力、調整力、マルチタスク能力が求められる仕事なので、職人への指示、協力会社との協議打ち合わせ、工程管理を行うことで、問題解決能力が身に付きます。
学ぶ意欲や問題を解決するために努力する姿勢があれば、確実に成長できる分野です。
施工管理の朝は早い?入社1年目〜3年目の「一日の流れ(ルーティン)」
施工管理の仕事は1日を通して動き回ることが多いです。
朝は比較的早く、夜は遅い日も多いですが、その分やりがいも感じやすい仕事と言えるでしょう。
参考までに、私の勤務先で働く1年目〜3年目の新人・若手層の「1日の流れ(作業ルーティン)」を紹介します。
施工管理の会社に新入社員として入社したら、だいたいこんな感じの仕事内容なんだな、とイメージしながら読んでみてください。
- 7:00 通勤→現場到着
- 7:00〜8:00 朝礼・作業員とのコミュニケーション
- 8:00〜10:00 現場巡回・進捗確認
- 10:00〜12:00 書類作成・管理業務
- 12:00〜13:00 昼食休憩
- 13:00〜15:00 現場作業の進捗管理・指導
- 15:00〜16:30 社内検査・現場巡回・記録作成
- 16:30〜18:00 終礼・報告書作成
- 18:00〜19:00 退勤準備と書類作成
以下では、それぞれの時間帯でどんな仕事をしているのか、詳しく説明していきます。
7:00:通勤→現場到着
基本的に、勤務先の事務所にはよらず、家から直接現場に向かって通勤します。
現場によっては早朝に現場を確認するため、早めの出勤が必要な場合もあります。
現場に到着後、前日の作業状況や進捗を簡単にチェックします。
最初は、先輩や上司のサポートを受けて、現場の流れや注意点を把握します。
また昨夜にやり残した仕事があればこの時間に取り組みます。
7:00〜8:00:朝礼・作業員とのコミュニケーション
朝礼:現場の作業員全員が集まり、日々の作業内容や安全確認を行います。
ここでは、安全に関する指示や、今日の作業目標を共有します。
作業指示:先輩の指示を受けて、作業員に具体的な作業内容や進捗を確認し、指示を出します。
未経験者は、最初は指示を受ける側が多く、サポート役となります。
8:00〜10:00:現場巡回・進捗確認
現場巡回:作業が始まったら、現場の各作業班を巡回し、進捗状況や安全対策がしっかり行われているかを確認します。
不具合や問題の確認:作業中に問題や不具合が発生していないかを確認し、発見した場合は即座に対応します。
この時間帯は、細かいチェックや記録が重要になります。
10:00〜12:00:書類作成・管理業務
書類作成・管理:一度事務所に戻り、現場の進捗状況や作業の品質管理、作業員の出勤状況をデータ入力したり、作業日報を作成したりします。
未経験者はこの時間帯に事務作業やデータ管理を行うことが多いです。
発注業務:材料が足りているか確認し、必要に応じて材料を発注します。
最初は、先輩のサポートを受けて発注手続きなどを行います。
12:00〜13:00:昼食休憩
昼食:作業員と一緒に昼食を取ります。
ここでは作業の合間に、コミュニケーションを取る時間でもあります。
作業の進捗や現場の雰囲気を掴むことができます。
発注ミスや作業の遅れがあれば、この時間に作業することもあります。
13:00〜15:00:現場作業の進捗管理・指導
現場監督・指示:午後は、現場での作業が順調に進んでいるかを再度確認し、必要に応じて指示を出します。
未経験者でも、作業内容に関する基本的な確認や安全面での指導が求められます。
問題解決:現場でトラブルが発生した場合(例:材料の不具合、作業手順の誤りなど)、問題解決に向けて上司や先輩と連携しながら対応します。
15:00〜16:30:社内検査・現場巡回・記録作成
社内検査:作業員が基準どおりに作業したかを調べるために立ち合います。
進捗確認:午後の作業進捗を再度確認し、作業が計画通りに進んでいるかチェックします。
記録・写真撮影:現場の進捗を記録したり、写真を撮影して報告書を作成します。
作業終了時には、完了した作業の確認や記録を行います。
16:30〜18:00:終礼・報告書作成
終礼:現場での作業が終わる頃、全員が集まり、今日の作業の進捗や問題点、安全面の再確認を行います。
翌日の準備:翌日の作業内容を確認し、必要な資材や道具を整理します。
報告書作成:その日の進捗や問題点、作業内容のまとめを報告書としてまとめ、上司に提出します。
未経験者でも、初めのうちは報告書の作成やチェックを手伝うことが多いです。
18:00〜19:00:退勤準備と書類作成
退勤準備:その日の作業がすべて終了したら、職員さんの退勤の準備をします。
現場の清掃や片付けも終わらせます。
書類作成:現場作業が終わりましたら、事務所に戻り、図面作成や材料発注書類作成、安全書類などの書類を作成します。
またこの時間であれば、社内の同僚が集まれますので、この時間に打ち合わせをすることもあります。
施工管理に向いている人の性格的特徴
施工管理にはどんな人に向いているか、どんな人には向かないかを正直にお伝えしたいと思います。
↓例えば以下のような人は「施工管理に向いている可能性が高い人」といえるでしょう。

- 責任感が強い人
- 計画性のある人
- 問題解決能力の高い人
- 体力や精神的なタフさがある人
- 人とコミュニケーションを取るのが得意な人
1. 責任感が強い人
施工管理はその工事現場の責任者です。
現場での責任を背負い、大規模なプロジェクトを成功させるために尽力する仕事ですから、「自分の役割を全うする」という強い責任感が必要です。
2. 計画性のある人
現場の作業は多くの作業者、資材が関わっており、計画通りに進められなければ遅延や事故が発生します。
3. 問題解決能力の高い人
現場では思わぬトラブルや問題が発生することがよくあります。
天候の急変、材料の遅延、作業員の怪我など、問題が発生した時にすぐに対応できる柔軟性と冷静さが求められます。
こうした状況に対して、素早く解決策を考え実行できる人は活躍できます。
4. 体力や精神的なタフさがある人
現場での作業は長時間立ちっぱなしや、天候に左右されることもあります。
精神的にもプレッシャーがかかる仕事です。
体力的にも精神的にもタフで、どんな環境でも冷静に対処できる人に向いています。
5. 人とコミュニケーションを取るのが得意な人
現場には多くの作業員や協力会社のスタッフが関わっています。
誰とでも円滑にコミュニケーションを取れる、調整力がある人は重宝されます。
管理業務が多いため、チームをまとめる力が必要です。
以上が施工管理に向いている人です。
逆に責任感がない人、計画性がない人、体力がない人、緊急事態に弱い人には向いていないでしょう。
まとめ
施工管理の仕事は、非常にやりがいがある反面、難しさや厳しさも伴う仕事です。
ですが、もしあなたが「現場を動かす仕事がしたい」「責任感を持って大きなプロジェクトに関わりたい」と感じているのであれば、施工管理の道は非常におすすめです。
大変なことも多いですが、その分学ぶことが多く、成長できる職業です。
迷っているなら、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
きっと自分の成長を実感できる瞬間が待っていますよ。