- 施工管理は底辺でブラックな仕事?
- 友人や親戚にいうのは恥ずかしい?
- 将来なくなる・食いっぱぐれる仕事って本当?
ネットでは施工管理という職種について「底辺でブラックな不人気職種」というイメージを持っている人も多いようです。
このブログ記事では、実際に施工管理として働き始めて3年目の私が、世間的な評価や実際に働いていて感じていることを書きます。
施工管理の仕事に興味のある方は、参考にしてみてください。
施工管理業界で働いている20代男です。売上高2,000億円・従業員約2,200名規模の準大手建設会社にて、道路工事施工管理として働いています(国や地方自治体のインフラ整備工事の受注が多いです)。現在は現場代理人として安全・予算・品質・工程の管理、地元住民や行政との調整などをやっています。保有資格は第二級土木施工管理技士・技術士補。現在進行形で働いてる人の視点で施工管理業界のリアルを紹介します。
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この記事の目次
施工管理は不人気で恥ずかしい「底辺の仕事」って本当?
参考までに、私自身が施工管理という仕事に転職した直後の、周囲の人たちの反応を書きますね。
「現場で働いている=恥ずかしいレベルの底辺」という、かなり短絡的というか「それはどうなの?」と思うような先入観を持っている人も中にはいます。
私も、現場で施工管理の仕事をしていると言うと、
友人や親戚から「大学まで出たのに現場仕事なのか」と心配されたことがあります。

中でも一番ショックだったのは、同じく施工管理の仕事をしていた高校の同級生に、
「施工管理の仕事は人間の仕事じゃない。底辺職だから俺は辞めた」と言われたときでした。
大学時代にも「施工管理=底辺ブラック」という先入観が強く、施工管理職を志望する学生は土木科の中でも少ない方でした。
違う業界の人からならともかく、同じ業界にいた人からまるでキャリア選択を誤ったかのように言われ、傷ついた記憶があります。
ひとくちに施工管理といっても「入社する会社」によって待遇はさまざま
ただ、ひとくちに施工管理といっても、実際に入社する会社によってお給料の待遇はいろいろです。
私の友人のようにかなり厳しい条件で働いていた人もいますが、少なくとも私は生活していくのに困らないぐらいのお金は稼げていますし、仕事内容にやりがいを感じながら働けていますよ。
若手の内から現場の責任者として仕事を任せてもらえますから、身につくスキルや成長スピードにおいても他業界に劣らないと思います。
世間的なイメージや他人の価値観に流されず、自分が納得できる仕事を選ぶことが大切なんじゃないでしょうか。
ぶっちゃけ年収高い?低い?婚活や合コンではどんな反応される?
こちらも参考までにですが、大卒で経験3年目の私の年収で500万円ぐらいです。
年収だけで見れば学生時代の同期と比較しても決して安い方ではないと感じます。
(むしろ、高い方かもしれません)
施工管理の仕事は残業も多く、その分残業代も支給されるため額面上の金額はそれなりに見えるんです。
ただし、これは時間を犠牲にした上での金額でもあります。
平日は帰宅が遅く、休日出勤も珍しくない。
なので、婚活の場では仕事のことを話すと忙しそう、デートの時間がなさそうと言った反応をされることもあります。
とはいえ、それでもこの仕事に誇りを持てる理由があります。
なにより、自分が携わった道路やインフラが地図に残り、人々の生活を支えているのは大きなやりがいです。
自分が担当した道路を通るときの味わい深さは他の職種ではなかなか味わえない魅力だと思います。
施工管理の仕事はつまらない?やりがいや仲間意識はある?
施工管理の仕事は責任の大きな仕事ですので、緊張感を持って仕事ができます。
若くても、現場に行けば1人の工事責任者です。
責任者として工程通りに工事が進んだときや、現場のトラブルをうまく収めたときには大きな達成感を感じます。
また現場では実際に工事作業をする職人と一緒に働きます。
年配の職人さんから18歳ぐらいの外国人技能実習生まで幅広い世代がいますので、最初は気を遣います。
しかし同じ現場で苦楽を共に過ごしているうちに自然と仲間意識が芽生えていきます。
自分の指示が現場でスムーズに反映されたとき、職人さんから「ありがとう」と感謝されたことがあるのですが、そのときは今まで苦労したこともあり、思わず泣きそうになってしまいましたね。
また、道路が完成に近づいてきたときは社会に貢献できている実感が湧き、やりがいにつながります。
施工管理は「将来なくなる仕事」って本当?
結論から言って、施工管理の仕事が今後なくなる可能性はかなり低いと思います。
確かに近年の情報技術はかなり進んでおり、現場でのAIやICT技術は進んでおります。
ICT測量は手作業の測量と比較して少ない人数で測量ができ、ASPを用いて書類の簡素化が進んでいます。
しかし現場では、「人が判断する」状況が数多く残されております。
突発的な天候変更や事故が発生した際の状況判断や職人とのコミュニケーションがAIに代替できるとはとても思えません。
むしろ技術が進歩しているからこそそれを使いこなせる施工管理者は高く重宝されるはずです。
インフラという社会にとって欠かせない役割を担っているからこそ、施工管理の仕事は形を変えながらも、将来性は十分にあると感じています。
施工管理は潰しが効かない仕事?食いっぱぐれはある?
施工管理は技術系仕事の代表格であり、一人前になれば潰しが効く仕事であると言えます。
施工管理の仕事では、現場経験が重要視されています。
現場経験を積めば、図面が読めるようになり、工程・安全・品質・予算等の管理ができるようになります。
これは他社の施工管理でも欠かせないスキルです。
私の職場でも他社からの中途採用者が多く、「前の職場では橋をやっていた」、「建物の経験もある」といった人たちはかなり活躍しています。
私もいきなり全く違う現場に配属されたときはかなり不安でした。
しかし今までの経験と知識をもとに何とか現場を回すことができ、今までやってきたことは無駄じゃなかったと実感しました。
この積み重ねがあれば、どの現場でも必要とされる存在になれるはずです。
ただし、施工管理業界にはこういう「ブラック企業」もあるので注意…
施工管理業界では「人手不足だから新人でも現場を丸投げされる」というケースは決して少なくありません。
配属初日に現場に行って、上司から「俺は違う現場行くから何かトラブルがあったら電話して」と言われ、
図面の見方も現場が今何をやっているのかも分からないまま職人さんが作業しているのをただ見ているだけとなっていたと先輩から聞きました。
教育研修が形骸化され、現場を丸投げされることもあります。
また、職務上休日が少ないことも問題視されています。
現場作業を行う上では現場代理人は常駐していなくてはならないことが法律で義務付けられています。
そのため、工期に間に合わせるためには休日出勤しなければいけないのです。
会社によっては3つ以上の現場を掛け持ちすることもあります。
朝はA現場の打ち合わせ、昼はB現場の写真管理、夕方はC現場の立ち合い、夜は日報や図面作成、材料発注という怒涛のスケジュールの労働環境もあります。
こうした会社に入社しないよう、会社の現場配置状況や教育体制をしっかり調べましょう。
まとめ
今回は、施工管理につきまという「底辺ブラック」というイメージについて、実際に現場で働いている者としての実感を書きました。
確かに、施工管理は地味な仕事です。
ITベンチャーで働くプログラマーとか、不動産業界や自動車ディーラーの営業マンみたいに「20代で年収1000万円稼げる!将来は独立も!」…みたいな仕事ではまったくないですね。
ただ、同年代と比較してわりとまともなお給料はもらえる職種ですし、職場のみんなで協力して大きなものを作っているというやりがいもある仕事です。
今後の世の中がどうなっていっても食いっぱぐれるような仕事でもないですから、堅実にサラリーマンとして生きていきたい人にはお勧めできる仕事だと思いますよ。