- 法律事務所の事務員の仕事内容ってどんなもの?
- パラリーガルと事務員の違いは?
- 資格なし・未経験でも働けるの?
法律事務所の事務員の仕事は、テレビドラマなどでも役柄の一つとして取り上げられることが多いですね。
特に、法律知識を持った事務員は「パラリーガル」と呼ばれ、弁護士のサポート役としてとても重要な仕事です。
興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、実際に法律事務所でパラリーガルとして働いている私が、この仕事のリアルな実態を紹介します。
残業や休日出勤の有無や、気になるお給料の手取り額などについても赤裸々に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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この記事の目次
法律事務所の事務員の仕事内容
法律事務所の事務員には大きく分けて1. パラリーガルと、2. 一般事務員の二種類があります。
それぞれの仕事の業務内容についてみていきましょう。
1. パラリーガルの仕事内容
パラリーガルとは、法律知識がある事務員をいいます。
私自身も法律事務所でパラリーガルとして仕事をしています。
↓仕事内容は以下のようなものです。
- 弁護士の指示により、依頼者に裁判に必要な書類の提出を依頼する。
- 依頼者からの書類受領後、内容を簡単に確認して弁護士に渡す。
- 弁護士が作成した訴状などについて、裁判所提出前に誤字脱字をチェックする。
- 完成した訴状などを裁判所に提出する。
- 裁判関係の書類のコピー、PDFをとる。
- 裁判所から事務所宛の連絡を受けたときは、情報を整理して弁護士に伝える。(裁判官からの連絡の場合には、直接弁護士につなぐ。)
- 個人の依頼者の自己破産、民事再生などを起案する。
- 裁判関係の書類をファイリングする。
パラリーガルがどの辺にプライドをもっているかというと、法的な素養を活かして、依頼者や弁護士に貢献できるということが一番ですね。
また、依頼者は、パラリーガルに対しても一定の敬意をもって接してくれることが多いですよ。
2. 一般事務員(秘書)の仕事内容
法律事務所の一般事務員の仕事内容は、弁護士のスケジュール管理、経理がメインになります。
法律事務所によっては「秘書」という肩書きになっていることもあるでしょう。
↓なお、私が働く法律事務所の事務員の業務内容は以下のような感じです。
- 弁護士のスケジュールを管理する。
- 来客対応で、事務所内を案内し、お茶を出す。
- 事務所内の備品を管理する。
- 事務所内の経理をする。
- 郵便物を受け取り、仕分けする。
- 事務所によっては事務所内の清掃をする。
なお、法律事務所の規模や弁護士の経営方針によって、パラリーガルと秘書(事務員)が分けられていないこともあります。
私の勤務先の法律事務所のように、ごく小規模な法律事務所(弁護士1人に事務員2人など)では、パラリーガルと秘書は分かれていないことが多いですね。
私も清掃やお茶の準備をした後に、自己破産の書類の起案をして…みたいな感じで働いています。
反対に、弁護士が数十人もいるような事務所であれば、パラリーガルと秘書(事務員)は部署がきっちり分けられていることが多いです。
法律事務所の事務員求人に応募する際には、パラリーガルと秘書のどちらの仕事内容をしてほしいのか?
あるいは両方の仕事内容をこなせる人を求めているのか?をしっかり見極めておくようにしましょう。
法律事務所は資格なし・未経験でも働けるの?
実際にどういう人たちが、法律事務所の事務員として働いているかをお伝えします。
大きく分けて2つで、1つ目は法律の勉強をしたことがある人です。
2つ目は秘書業務ができる人ですね。
ですので、パラリーガル的な人が求められるときは、法律知識や資格が必須でしょう。
反対に秘書を雇いたいときは、法律の素養は必須ではなく、
むしろ秘書検定や一般企業で総務や経理の経験があったほうが良いでしょうね。
法律事務所では「5種類の人たち」が働いている
↓法律事務所という職場には、以下の5つの働き方をしている人たちがいます。
- ボス弁護士
- その他の弁護士(イソ弁、アソシエイト弁護士)
- 事務職員
- 弁護士秘書
- パラリーガル
といった職業になります。
なお、少数派ではありますが、これ以外に「ノキ弁」と呼ばれる職業もあります。
(私の知る限りでは、出会ったことはありません)
これは他人の軒下(ノキ下)を借りて商売をしている弁護士という意味で、事務所内の一部を借りて個人的に弁護士活動をし「収入の一部を事務所に支払う」という形態で働く弁護士ですね。
事務職員・弁護士秘書・パラリーガルの分類はあいまい
上記に記載した、
- 事務職員
- 弁護士秘書
- パラリーガル
の3者は、弁護士資格を持っていない人たちです。
ただし、ほとんどの事務所で、この3つの仕事内容の境目は曖昧となっています。
大手事務所で役割がしっかりと分けられているケースがありますが、
「街の法律事務所」といった規模の事務所では、
はっきりした分類はなく、みんなで手分けしながらやっているのが実態です。
特に弁護士秘書業務は、法律事務職員が仕事の一環として兼任しているのが一般的ですね。
パラリーガルも実際のところ、まだ日本での定着度は浅く、
大手の事務所で取り入れているところもある、といった程度でしょうか。
法曹界でもWEB化が進んでいることもあり、若手弁護士の小規模な個人事務所では、
事務職員すら置いていないところもあったりします。
法律事務所は残業や休日出勤はある?人間関係はどんな感じ?
次に出勤時間や休日出勤の有無、更に事務員として1番敏感になりそうな人間関係について解説していきますね。
多少の違いはあると思いますが、私が実際に働いている事務所の経験を元に話していきたいと思います。
勤務時間や残業・休日出勤の実態
事務所によりますが、勤務時間は基本、9時-18時が多いです。
パラリーガルの残業、休日出勤は、あまりない事務所が多いのが現状ですね。
人間関係の実態
弁護士が1人又は数人などの小規模な事務所では、事務員は圧倒的に女性が多いです。
年齢も様々で20代の女性もいれば、弁護士とずっと事務所を切り盛りしてきた50代の女性など様々です。
ですので、女性同士の人間関係が、どうしてもついて回る感じなんですよね。
私は男性なので、女性同士の人間関係の機微はよく分かりません。
例えるなら、コールセンターの人間関係と少し似てるかもしれないですね。
働きやすさは弁護士(上司)との相性次第
たまに、別事務所の女性事務員の方々と話す機会があります。
事務員の方々の中には「仕事で嫌なことがあっても、勤務先の弁護士が尊敬できるのであれば、何とか頑張れる」とおっしゃる方もいました。
どの事務所でも、人間関係の問題はつきまとうものです。
上司の弁護士を尊敬できるかということも、一つのポイントになるでしょうね。
まとめ
今回は、法律事務所(弁護士事務所)で働く事務員の仕事内容について紹介しました。
事務員はパラリーガルと一般事務員で仕事内容がかなり違います。
法律事務の実務経験を身につけ、どんどん仕事の幅を広げてお給料も稼げるようになりたい方には、パラリーガルをおすすめします。
一方で、事務員としてストレスなく働くのを重視する人は、一般事務員としてのキャリアを選択するのも良いでしょう。
いずれにしても、事務員は「どのような法律事務所を自分の勤務先として選ぶか?」によって働きやすさがまったく違ってきます。
同じ仕事をしていても、稼げるお給料がぜんぜん違う…みたいなことも普通にありますから、勤務先選びは慎重に行うようにしましょう。