医師3年目以降になると、ようやくバイトが解禁されますね。
「常勤を続けるか、バイト中心にするか」で悩んでいる医師も多いのではないでしょうか。
私は大学院時代の2年間、バイトだけで年収1500万円を稼ぎながら自由な生活を送っていました。
(経験豊富なベテラン医師なら少ない実働時間でもっと稼げると思います)

このブログ記事では、医師バイトの種類と経験年数別のおすすめ働き方〜常勤復帰を検討するタイミングまで解説します。
実体験ベースにはなりますが、注意点や効率の良い稼ぎ方を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
30代前半の男性内科医です。関西の国立大学医学部を卒業後、大学病院勤務を経て大阪市内市中病院で10年間救急・総合内科に従事しました。その後、母校大学院での研究時間確保とワークライフバランス改善のため、非常勤医師へ転職。医師の当直バイトの実態などリアルな現実を書きます。
この記事の目次
【医師バイトの種類】おすすめの働き方の選択肢は?
医師バイトには様々な種類がありますが、収入面で見るとおすすめのものと、そうでないものとがあります。
大切なのは「組み合わせ」です。
ひとつの案件に依存しすぎることなく、安定収入を得ることを考えましょう。

↓ここでは、以下のような働き方について説明します。
- 当直バイト中心の働き方
- 健診・美容クリニックとの組み合わせ
- スポットバイト案件を活用した柔軟な働き方
1. 当直バイト中心の働き方
個人的におすすめなのは、月8〜10回程度の当直バイトを中心にした働き方です。
当直1回で7〜8万円、日当直で13〜16万円稼げるので、これだけで月75〜100万円の収入になります。
メリットは収入が非常に安定していることです。
当直の案件は年中あるため、健診のような季節変動がありません。
どんな仕事内容?当直中は何してる?
当直中は空き時間に勉強や研究ができるのが魅力です。
私も論文を読んだり、データ解析をしたりしていました。
デメリットは生活リズムが不規則になることです。
当直明けの日は丸一日使い物にならないこともありました。
また救急対応ありの当直では、想定以上に忙しくなることもあります。
体力面での負担は決して軽くありませんでした。
当直バイトは体力勝負ですが、何より稼げるのが魅力ですね。
2. 健診・美容クリニックとの組み合わせ
当直バイトをメインにして、空いた時間に健診や美容クリニックのバイトを組み合わせる働き方があります。
健診は日給5〜7万円、美容クリニックは日給8〜10万円程度です。
当直と合わせれば月130万円以上の収入も可能です。
健診は比較的ルーティン業務が多いので、精神的な負担も軽いです。
美容クリニックの問診も、基本的にはマニュアルに沿って行うので難しくありません。
デメリットは健診の案件変動が大きいことです。
健診は春に集中するため、夏場は案件が少なくなります。
継続的に仕事を確保するためには、複数のクリニックとの関係を築く必要があります。
3. スポットバイト案件を活用した柔軟な働き方
自由度重視でいくならスポットバイト中心の働き方です。
予防接種、単発の外来なども組み合わせる働き方ですね。
案件によって日給3〜10万円と幅がありますが、メリットは自由度が非常に高いことです。
研究に集中したい時期は当直だけにして、時間がある時は他の案件も入れるという調整ができます。
また、高単価の案件を狙えば、効率的に稼ぐこともできます。
ただし、スポットバイトは医師としてのスキルアップはほぼできません。
スポットの案件って何かを新しく学ぶよりは今あるスキルで戦う感じになります。
内視鏡ができるなら内視鏡バイトをしたり、麻酔をかけられるなら麻酔バイトをしたり、何も専門性がなければ健診や予防接種などという具合です。
特に新規分野を開拓するということはないですね。
お金を稼ぐためだから仕方ないと割り切ってしまえば問題ないのですが、向上心がある人には向かないでしょう。
スポットバイトのデメリット=案件探しの負担が大きいこと
スポットバイトメインで行く場合のデメリットは、案件探しに時間がかかることです。
また、単発の仕事が多いので、職場での人間関係は築きにくいです。
毎回新しい環境に慣れる必要があるため、精神的な負担もあります。
友人のD医師は当時、「スポット案件を探す時間がもったいない」と言っていました。
確かに1件1件応募して、採用の返事を待つのは案外面倒でした。
応募しても「既に充足しました」と断られることも多く、スケジュール管理が大変でした。
【脱・求人案件切れ】医師がアルバイトで安定収入をキープするには?
このように、医師アルバイトは組み合わせ次第でかなり効率的に稼げます。
一点、注意すべきなのが「求人案件切れ」ですね。
医師バイトがどれだけ時給や単価が高くても、
案件(求人)が切れてしまって稼働していない時間が多くなってくると、当然ながら収入も激減してしまいます。
医師として働いていない期間が長くなるとカンもにぶりますし、
モチベーションも低下しがちですね。

以下では、医師が継続的に求人案件を確保し、生活を安定させるコツについて語っていいきますので参考にしてみてください。
- バイト求人(案件)確保のコツ
- 収入と支出の管理
- いわゆる「おいしい案件」を常にキープしておく方法
1. バイト求人(案件)確保のコツ
人気の医師アルバイト案件はすぐに埋まってしまうので、毎日のチェックが欠かせません。
私は毎朝電車で案件チェックをしていました。
複数の案件に同時応募することも多いので、Googleカレンダーなどスケジュール管理用のカレンダーアプリを活用しましょう。
定期的に入れてもらえる病院との関係を築くことができれば、案件探しの負担は大幅に軽減できます。
2. 収入と支出の管理
収入の変動に備えて、専用の貯金口座を作ることをおすすめします。
私は月100万円を基準として、それを超えた分は変動準備金として別途貯金していました。
確定申告の準備も忘れずに行いましょう。
バイト収入は給与所得扱いになることが多いですが、複数の勤務先がある場合は確定申告が必要になります。
3. いわゆる「おいしい案件」を常にキープして方法(複数の医師バイトサイトを併用しよう)
ぶっちゃけ一番重要なのはこれです。
手元に案件を常にキープしておくということですね。
それもなるべく「おいしい求人案件」をキープしておくようにしましょう。
具体的には、医師専門求人サイトを複数併用し、特徴に合わせて使いまわすことです。
↓私が実際に使っていたのは、以下のような求人サイトです。
オールマイティに探す人や、あれこれ使い分けるのが面倒な方はDr.アルなびがいいでしょう。
多少営業電話が強めなのが難ですが、
担当エージェントさんに積極的に動いてもらうぐらいの方が良い人は、M3キャリアが良いと思います。
医師バイトドットコムはスポット案件が豊富で、コスパの良い仕事が見つかりやすいです。
民間医局は全国に拠点があり、医師賠償責任保険にも加入できるのが魅力です。
人材紹介会社の担当者とは積極的にコミュニケーションを取りましょう。
希望条件を詳しく伝えることで、より良い案件を紹介してもらえます。
「直接病院に言いにくいことも紹介会社の方が伝えてくれるのでやり取りがスムーズ」というメリットもあります。
また、勤務先の詳細情報や独自のルールなども事前に教えてもらえることが多いです。
【経験年数別】医師がバイトで効率的に稼ぐコツ
医師は経験年数によって、バイトでの働き方や注意点は大きく変わります。
↓ここでは、以下のように年数別に分けて、注意点や効率的に稼ぐコツを説明します。
- バイト解禁直後(3年目医師)の場合
- 中堅医師の場合(フリーランスも選択肢にできるようになる時期)
- ベテラン医師の場合(セカンドキャリアとしての可能性を探る)
1. バイト解禁直後(3年目医師)の場合
医師3年目になると、いよいよアルバイトが解禁されるため、多くの医師がこの時期にバイトを始めます。
若いうちから様々な医療現場を経験できるのは、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
また、体力もあるので、当直バイトを多めに入れて高収入を狙うことも可能です。
働き方改革との両立は難しい面もあるかもしれませんが、若いうちにたくさんの病院を経験しておくことは、将来のキャリアにとって有益だと思います。
まだ臨床経験が浅いため、対応できる症例には限りがあるという点を理解しておく必要があります。
「自分で対応できるかどうか」「自分の実力以上の問題が起きたらどうするか」という不安を感じる医師も多いです。
また、専門医取得を目指している場合は、バイトだけでは症例数や研修要件を満たすのが困難です。
将来のキャリアプランをしっかり考えた上で選択することが重要です。
2. 中堅医師の場合(フリーランスも選択肢にできるようになる時期)
ある程度の臨床経験を積んだこの時期は、フリーランス化に最も適していると思います。
基本的な診療スキルが身についているので、多くの案件に対応できます。
また、専門医も取得済みの場合が多く、キャリア面での不安も少ないでしょう。
私自身もこの時期にバイト生活を経験し、非常に有意義でした。
この年代は結婚や出産などのライフイベントも多い時期です。
特に子育て中の女性医師からは「時間の融通が利くのが魅力的」という声をよく聞きます。
ただし家族の理解と協力は不可欠です。
当直バイト中心の場合は、家事や育児の分担についてパートナーとよく話し合う必要があります。
3. ベテラン医師の場合(セカンドキャリアとしての可能性を探る)
ベテラン医師にとって、バイト生活はセカンドキャリアの一つの有力な選択肢になります。
豊富な臨床経験を活かして、高単価の案件を選択的に受けることができます。
また、指導的立場での業務も任されることが多く、やりがいも感じられるでしょう。
一方で、社会保険や退職金などの福利厚生面では常勤に劣る点は否めません。
老後の資金計画も含めて、長期的な視点での検討が必要です。
また、体力的な負担も考える必要があります。
当直バイト中心の働き方は、年齢を重ねるにつれて厳しくなってきます。
医師のバイト生活についてのよくある質問と回答
医師のバイト生活には多くの疑問や不安がつきものです。
ここでは、以下のような質問について説明します。
- 初回のバイト出勤で気をつけることは?
- 現場でのコミュニケーション
- 医師のバイト生活から常勤復帰への道筋
- バイトメインで働きつつ、医師としての実力を維持するには?
1. 初回のバイト出勤で気をつけることは?
はじめてのバイトでは、事前の情報収集が重要です。
勤務先までの交通ルート、院内の設備、緊急時の対応手順などを確認しておきましょう。
私も最初は「まず辿り着けるかが不安」でした。
特に地方の病院などは場所がわかりにくいことも多いので、余裕を持って出発することをおすすめします。
2. 現場でのコミュニケーション
現場では看護師やスタッフとのコミュニケーションを大切にしましょう。
「現場にいるスタッフさんへ礼儀を忘れずに」というのは基本中の基本です。
看護師さんの評判が悪いと、次から契約してもらえなくなりますからね。
3. 医師のバイト生活から常勤復帰への道筋
バイト生活を経験した後、常勤に戻る際のポイントについて説明します。
私自身の経験と周囲の事例をもとにお伝えします。
どのタイミングで常勤復帰を検討すべき?
バイト生活から常勤復帰を検討するきっかけは人それぞれです。
私の場合は、大学院での研究が一段落したタイミングで常勤復帰を決めました。
友人の中には、子どもの教育費が本格的にかかり始める時期に、より安定した収入を求めて復帰した人もいます。
また、体力的な理由で当直バイトが辛くなり、日勤中心の常勤を選択する医師も多いようです。
自分の市場価値を維持しよう
バイト期間中も、医学的な知識やスキルの向上を怠らないことが重要です。
学会参加や論文発表、研修会への参加などを継続しましょう。
様々な医療現場での経験は、むしろ常勤復帰時のアピールポイントになります。
多様な環境での診療経験として評価される場合が多いです。
医師がバイト面接で自己PRとしてアピールすべきことは?
ひとことでいうと「バイト経験をプラスに変える」ことが大切です。
常勤復帰の面接では、バイト期間をネガティブに捉えられることもあります。
しかし、適切にアピールすれば大きな武器になります。
「様々な医療現場での経験により、適応力と問題解決能力が向上しました」ですとか、「多様な患者層と接することで、コミュニケーション能力が磨かれました」といった点を、具体的なエピソードとともに伝えるようにしましょう。
即戦力としての価値提供
バイト経験者は、新しい環境への適応が早いという特徴があります。
毎回違う職場で働いてきた経験により、柔軟性と対応力が身についているからです。
また、多くの医師や看護師と接してきた経験も、チームワークの面でプラス評価されることが多いです。
フリーランス期間を有利に活かす方法として、これらの点を積極的にアピールしていくことが大切です。
4. バイトメインで働きつつ、医師としての実力を維持するには?
まず、当直の空き時間で論文を読む習慣をつけましょう。
バイト期間中でも、医学的な知識のアップデートは欠かせません。
私は当直中の空き時間を活用して、最新の論文や治療ガイドラインを読んでいました。
オンラインセミナーや e-learning なども積極的に活用するとよいでしょう。
ブランクを感じさせない実力維持の秘訣は、継続的な学習習慣にあると言えます。
専門から離れすぎると復帰が大変
可能であれば、自分の専門分野に関連するバイトを選ぶことをおすすめします。
完全に専門から離れてしまうと、常勤に復帰する際に苦労することがあるかもしれません。
例えば内科医なら内科外来のバイト、外科医なら手術のバイトなど、少しでも専門に関わる案件を選ぶと良いでしょう。
ただし現実的には、バイトだけだと専門性を深めるのは難しいです。
割り切って「復帰時に勉強し直す」と考える医師も多いですね。
まとめ
医師バイトは、経験年数や目標に合わせて選ぶことが大切です。
3年目なら当直バイトから、中堅医師は専門性とライフスタイルのバランスを、ベテラン医師は高単価案件を狙うのがおすすめです。
「もっと自由に働きたい」と思っている方は、まずは週1回の当直バイトから始めてみるのが良いでしょう。